2019年11月 勉強会・相談会

11月13日(水)13:30〜20:00、藤沢市役所 5F 市民利用会議室1を会場に 相談会と勉強会を行いました。

今回は2組が個別相談に、勉強会には2人が参加してくださいました。

「子どもがワーワー騒いでしまって、親としても何か言いたいことがあるのはわかるんですけど、何が言いたいのかなかなかわかってあげられなくて…」
こんな悩みをいただくことがよくあります。

静かに過ごすことになっている公共の場や、今はこれをやらなければならないというタイミングで子どもが突然大きな声を出したり泣き出したりすると、つい周りの目も気になって慌ててしまうことがあります。
そんなときほど「何?身体が痛いの?暑いの?おやつが食べたいの?…違うの?」と思いつくままに質問してしまい、より焦る気持ちがお互いにエスカレートすることも。

私たちの相談会・勉強会ではICTを使ってコミュニケーションや生活の不便を減らしていく方法について考えることがメインですが、ICTやスイッチを使えれば良いということはなく、ICTを活用する前に大切なこともたくさんあると考えています。

まずこちらが落ち着くために道具を使うこと。それがICTであるかどうかはあまり関係ありません。
今回のお母さんの素晴らしい工夫は、ノートに聞くことばを書いておき、毎回ノートを見せながら確認することでした。

シーンに合わせた質問を4つずつ提示します

これなら思いつくままでなく いつも同じ順番で質問できるし、質問されているほうも「あれだ!」と思ったらその質問が来るまで安心して待っていられるのです。

このような繰り返しの中でコミュニケーション方法が定着していくこともありますし、本人が「いちいち聞いてもらうんじゃじれったいから、そもそも音声を使って自分から伝えればいいのか」と気づく瞬間もあるかもしれません。そうなったときには、きっとICTの出番です。

安定したコミュニケーション方法が取れるまで、または自分から発信したいと本人が思うまで、1週間かもしれません。1ヶ月かも、1年かも、もしかしたらもっとかかるかも。それでもその人の中に、確実に経験が積まれていきます。コップに水を注ぎ続けたら、いつかコップの水が溢れるときが来ます。

まずは自分が焦らずに、落ち着いて聞くためにiPadで聞きたいことばを用意しておく。ICTの使い方としては、そんなのもありです。自分の目的のためにICT使えていれば、立派に使いこなすことになると思います。

今回もいろいろ考える良いきっかけをたくさんいただきました。

島津 あすか